セルフビルド裏話 - ほぼセルフビルド*ふたりでつくった家・猫・暮らし ほぼセルフビルド*ふたりでつくった家・猫・暮らしセルフビルド裏話

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2009年 03月 24日 (火) 08:00 | 編集
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夫婦ともに日本大学芸術学部美術学科住空間デザインコースと、技術専門校の木工科1年制を卒業しました。太郎は劇場の椅子の設計を5年、床板や壁板を加工・出荷する仕事を3年経験しています。仕事の合間に、木工家具の仕事をちょこちょこ請けてました。
私は建材屋に1年、設計事務所に3年勤めた経験のある、一応というレベルの2級建築士です。ただ友人宅の改装や、借家の床を畳からフローリングに貼りかえる、屋根のペンキ塗り、と言う日曜大工の経験は結構ありました。

つまり、ズブの素人でもないけどプロでもない。そんな2人が家を建てる事になりました。基礎は基礎屋さん、建前までは信頼できる大工さん(予算削減のため構造材はプレカット)、屋根は板金屋さん、水道は設備屋さん、電気配線は友人の電気屋さん。(電気器具の製作取り付けは私)
それ以外は全て自分達でやりました。一番の理由は資金が少ない事、物を作ることが好きであり得意だし、自分でやれば思い通りに作れるということの3点が主な理由でした。

マイナスの要因としては、最初で最後でやりなおしが利かない事、経験がほとんどない事、時間がかかること(=実はお金もかかる)でした。 はっきり言って無謀だと思います。私は大反対しましたが聞き入れてもらえず、太郎が住宅建築に関して余り知らないと言う事が、幸か不幸かセルフビルドの道を選択させたと思います。

* * * * *

私達の家は在来工法で、建前まで(骨組みだけ)大工さん、そこからは夫婦二人でほとんど作ったのですが、かかりっきりで2年間、本当に大変でした。楽しく家作りなんて出来ませんでした。最初で最後だからと気が抜けなくて、手も抜けなくて(ふたりとも毛は抜けた 涙)不安だらけ。

断熱材だけでも何十種類とある中から、安全性、防音性、断熱性能、厚さ、価格、とチェックして選ばなければならず、こういったことを全ての建材に対して考えました。
素材や部品もカタログで見るだけではなく、サンプルを手配したり、ショールームまで行って、全て現物を見て選びました。家って出来てしまったら、やりなおしが利かない部分もあるので、後悔しても後の祭。だからひとつひとつ納得したかったのです。

設計士の仕事をした経験から、家を作る事が大変な事はわかっていたので、太郎が自分で家を建てたいって言った時、大反対しました。いくら建前までは職人さんに外注するにしても、大工、左官屋、家具、タイル仕事などを二人でやるのは大変です。
しかもこだわった材料で、予算1000万で半年である程度カタチにするなんて、現場を知っている私からしたらとても無理な話で、良く考えて欲しいと泣いて頼みました。 せめて私の信頼している大工さんの所で、家一軒建てる間お手伝いして、家を作るということを体験してほしいと、説得してはみたもののダメでした。 結局私の意見は一切聞いてもらえず、無謀な家作りが始まってしまいました。

ノイローゼになっても不思議じゃないほど辛かったです。 おがくずだらけの現場で泊まりこみ、仮設水道と卓上コンロでの料理。主婦、大工、設計士、現場で一人3役なんて大変すぎました。おさまりの詳細を考え、施工しながら、そろそろお昼の支度をしなきゃなんて、無理があります。たまに貸家に帰れば、カタログやサンプルと資料で足の踏み場が無くて、休まる場所はどこにもありませんでした。半年の我慢と言う約束が2年間です。私が現場をある程度知っているということは、作業量の膨大さと、かかる時間の予測がついてしまうので、それが余計に辛くて、泣きながら手を動かしていました。

ところが周囲は脳天気で「夢があって良いわね~」「うらやまし~」「たのしみね~」と完全に人事なので、愚痴を言うことも出来ず、余計に辛かったです。
セルフビルドに関しては、現実を知らず夢だけのパワーで出来る方が、実は幸せなことなのかもしれません。いい家が出来るかどうかはまた別ですが…。

太郎は半年で形にすると、無謀なことを言っていたのですが、2年もかかり予算も非常に大きくオーバー。外注費、材料費で1500万円もかかりました。+2年間の生活費です。セルフビルド=安いというわけではありませんでした。

セルフビルドは、精神的にも肉体的にも、金銭的にもホントに辛かったです。そんな状況でお互い余裕がないので、夫婦仲が悪くなりました。家の完成と同時に別れてしまうかも…と思ったくらいです。引越しをして3年経っても信頼関係は未だに回復していません。(06年に書いてますが、09年現在は一応って感じ)

苦労して満足の家が手に入るとしても、セルフビルドでの家作りは、口では言い表せないほどの大仕事です。失敗できない作業も多く、もう出来ない!と途中で投げ出したり出来ないので、楽しいだけの物作りというわけにはいきません。そんな大変さを支えてくれるのは、やはり家族だと思います。セルフビルドでやりたいと思う方は、家族の理解を充分得てから始めてください。これがなによりも一番大事な要素だと思います。

※小屋とか、構造をいじらないリノベーションやリフォームレベルなら、もっと気楽で良いと思います。あくまでも ”家” の新築セルフビルドの我が家の話です。

2006年2月記 : 2009年3月更新
セルフビルドの費用 へ続く
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この記事へのコメント
はじめてコメントさせていただきます。
ソトコト(http://www.sotokoto.net/jp/)という雑誌を編集しております株式会社デコの藤原雪(ふじわらゆき)と申します。

1月発売のソトコトで、「あたらしい自給自足」という特集を組むのですが、Saki様にセルフビルドについて、お話をお伺いできないかと思い、ご連絡さしあげました。

メールアドレスなどがわかりませんでしたので、不躾とは思いましたがこちらからご連絡させていただきました。

もし差し支えなければ、恐れながら、一度下記にメールをいただけませんでしょうか。あらためてそちらに企画書を送らせていただきたいと思っております。

ご検討いただけましたら幸いです…

*************************
2011/ 12/ 07 (水) 19: 35: 12 | URL | ソトコト編集部 株式会社デコ藤原 # -[ 編集 ]
藤原様へ
コメントをありがとうございます。
コメント欄でしかやりとりの出来ないブログで申し訳ありません。
取り急ぎ、メールアドレス等の情報は編集させていただきましたので、
ご了承ください。
後日メールをさせていただきますので、
よろしくお願いいたします。
2011/ 12/ 07 (水) 19: 40: 15 | URL | Saki # p7kNwp6A[ 編集 ]
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